・concept・ 1998年9月1日にOPENいたしました。 熊本合志市にある「うつわ屋」はその名の通り器を主に扱う専門店です。 大量生産ではなく、「人の手」で作られたモノがほとんどです。 有名でも、無名でも、真面目に一生懸命に素敵な食器を作り続ける。 そんな全国の陶芸家の器を中心に扱っています。 ものの良し悪しの基準は知名度でも、高価な値段でもありません。 作品そのものの持つ力、テイストだと思っています。 「あっ、なんかいいかも!」で十分なのです。 若くてすばらしい感性を持つ、作り手の作品を発掘して 皆様へご紹介させていただければこんなに嬉しいことはありません。 店内は手前「SHOP棟」・奥「GALLERY棟」に分かれます。 またオンラインショップも運営しております。 SHOPでは”日常使いの和食器”と”暮らしの道具”が沢山揃います。 お探しの器や贈り物などきっとご満足いただけると思います。 GALLERYでは全国の陶芸家やアーティストによる 個展、企画展を年に数回開催致します。 SHOPに常設している作家さん達の違った1面をご覧になれる楽しい機会です。 ”アートとしての器”と、暮らしの道具としての器”それぞれを通して 皆様のくらしが楽しく、豊かなものになりますようお手伝いいたします。 |
・想い(理念)・ 和食器を販売する。それが生業です。 和食器というものは日本の食文化に根差したものであり地域の気候風土に応じて変化し進化してまいりました。 使うための民芸と呼ばれる民のための道具で生活工芸としての陶芸と、美術や茶道などの美術工芸としての陶芸。 日本には大きく分けて2タイプの焼き物の世界があると思います。 うつわ屋は民芸・道具としての焼き物のお店です。1998年開店して当時よりたくさんの器を常設したお店をやっています。 当時26歳。工芸や民芸などよく分からずカジュアルに器を唯々扱って皆様に支えてもらいました。 次第に欲も出て、有名になりたい!田舎にいても都会に負けないような店にしたいと稚拙ながらも次第に仕事のレベルを上げるべく 作家ものと呼ばれる意匠の高い作品的な器も意識して扱いだしてきました。結果今のgalleryでのイベントなどの仕事の礎が作られたと思います。 その当時はバブル崩壊後とは言えまだまだ世間は明るく手仕事の器を使うことはごく自然のことでした。 今100円ショップや大手量販店に並ぶ海外製の大量生産品の器はほとんど見ることは無く、 量販店に並ぶものも、瀬戸や美濃、有田波佐見などに代表される大規模窯業地の量産物が主流でした。 その後長引く景気低迷で、流通はより安価なものを海外へ求め今の量販の姿があります。 その過程において工芸のジャンルは随分と衰退をしてきました。 長く日本人の食器需要を支えていた大規模窯業地の生産量は一気に縮小し、廃業や淘汰が進んでしまいました。 漆器のジャンルはその部分は顕著で、漆そのものが国内ではほとんど採れなくなってしまう所まで衰退してしまいました。 その結果重文などの文化財の保護すらままならない危機的状況となっております。(現在国内流通の漆はほとんどが中国産です) それに比べれば陶芸はまだましなのですが、北欧食器の流行もはさまり、 やはりご多分に漏れず材料産出の現場の高齢化、衰退は進行しております。 しかし昨今SNSの普及が急速に進み、巷ではうつわブームといわれています。 美しい写真に並ぶおいしそうな食事風景にある手仕事の器たち。その主役はほとんどが個人陶芸家の手によるものです。 長く不毛の時代を過ごしていた我々の業界はいまにわかに活気づいています。 多くの人気作家が生まれ、その技巧や加飾に工夫を加え作りだす器は行列に並んでも購入できないこともあるほど。 そうして全国にも行列のできる人気店が生まれています。使うための器の国内回帰の流れが来ている。そう感じます。 アパレルと重なるその選択感覚、美意識の流行は、普段使いの暮らしの食器にこだわりをもたらしました。 イイことづくめの今のように見えますが、過熱したSNSやネット通販の写真を介した流行により買い手が作家を選ぶようになりました。 またそれは売り手の眼力の低下と指導力の低下を招いてきています。 イイものを育て生みだすというのではなく、売れているものや人気のある作家をチョイスするという悲しい現象です。 これは同じ売り手として大変由々しき事態で残念でなりません。 また、今も益々100円ショップや量販店に並ぶ海外製などの安価な量産物は変わらずに大量に出回っております。 それはどういうことを意味するのか・・・。作家が作るものは少量且つ比較的高単価です。 量を国内で生産しないとなると材料も同じ。その調達を専業とする材料屋の衰退は否定できないのではないでしょうか。 作家が作る比較的少量高単価の器の流通だけでは材料の調達の安定は難しく、後継者問題も相まって今でも廃業が相次いでいます。 やはり国内回帰の流れを決めるのは日常の器を、量を作り量を売ることに他ならない。そう私は考えています。 10000円で2個よりも5個売れたら、2倍程度の原価がかかります。 それは同時に2倍の売り上げが材料屋にもたらされるということにもなります。 基幹となるのは元となる材料の確保。美術工芸も生活工芸も材料入手経路は大部分が同じであるということが重要なカギだとと思います。 ここを安定させるには海外へ転嫁された日本人が使う食器の製造拠点を国内に戻すこと。 その為には特別ではなく当たり前のことを粛々とやる努力が必要なのだと思っています。 私共うつわ屋は手仕事の器を常時沢山扱っています。 昔目指した都会に負けたくないとの思いは変化し、今はここにいて出来ること。ここだから出来ることに心血を注ぐ毎日です。 常設のショップにはできるだけ手頃な窯元の作る食器や若くて馬力のある作家のお値打ちなものが多いことに気が付かれると思います。 うちのこの構成に隠された理由はこの業界の保護育成。少しでも多くの国内生産の手頃な陶磁器を流通させることに貢献していきたい。 そう思い、食器としての適正価格を意識した少しでも量にこだわるラインナップなのです。 作り手の有名になりたいという気持ちもよくわかっています。中には超えてゆく人も出てくるのもこの業界の魅力です。 私も自分で選んだ作家の高価で良いものが売れるならばそれは正直誉でありますから。 その美術工芸としての部分は常設ではなくgallery仕事で表現をと微力ながら併せて努力の日々でもあります。 各々作り手の適正を見極め「作家」or「職人」という選択を示して人を育てていくことも私共の使命なのだと考えています。 当たり前のことを当たり前にしていきたい。日常でこそ文化は磨かれます。 日本文化の発展と持続可能な継承の為。私共の経済活動や、うつわ屋Living&Tablewareが存在することで少しでもお役に立てたら幸いです。 経営理念::器を販売することを通し地域の皆様の暮らしを豊かにし日本の文化の維持発展に貢献します 末永くお付き合いくださいますようどうぞよろしくお願いもうしあげます。 2018/02/12 うつわ屋Living&Tableware 店主 小山愛陽 ※あくまで主観の部分が大きい内容です。細かい考察は省いております事あらかじめご了承ください。 |
うつわ屋Living&Tableware @SHOP/@GALLERY 熊本県合志市幾久富1647-240 t/f 096-248-8438 運営 合同会社うつわ屋 |
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