器について


器の性質・種類●

器(やきもの)には大きく分けて「陶器」「磁器」がございます。
「磁器」は有田焼や洋食器などをイメージしてもらえば分かりやすいと思います。
白くて滑らかで硬い器。(以下磁器のサンプルPHOTO)

こちら磁器は陶石という石を細かな粒子状にすりつぶして粘土状にしたものを成型するもので、限りなく目の詰まった状態で焼き上がります。
指ではじくと金属音がするほど硬く吸水性がない状態です。そういった意味でガラスに近い性質だと認識いただければわかりやすいと思います。
珈琲や紅茶や油モノなど熱い飲み物や料理を磁器に注いでも生地の中に染み込んでいく事はまずありません。
磁器は主に茶渋のような表面にこびりつくような汚れ方をします。この場合一般的な漂白剤の使用でほぼきれいになると思います。
余談ですが漂白剤で落ちにくい汚れは市販の「激おち君」的な新型兵器も結構効果的です。
(赤絵、金彩、銀彩などの上絵付けモノは激しい研磨に弱いものです。お店の人間に確認のうえお使い下さい)



■一方磁器とは異なり「陶器」と呼ばれるものの原料は粘土質の土を使用します。(以下陶器のサンプルPHOTO)


石をすりつぶしたものとは異なり、粒子の大きさも様々。小石が混じっていたりとしばしばです。
焼きあがった器は大げさに言うと海綿状のような多孔質。釉薬の表面にも目には見えない小さなスポットも開いています。
スカスカの穴だらけの陶器は吸水性が高く、珈琲や紅茶や油モノなど熱い飲み物や料理を
乾燥した陶器
に注ぐと「す〜っと」吸い込んでしまいます。
無色透明のお水が染み込んだだけなら乾けば何事もなかったかのように元通りになりますが、
これがお醤油なら?珈琲なら?脂っこい揚げ物なら?
一度入ってしまった前述の汚れは漂白剤などでも落ちにくく、こびりついてしまいます。
また色ジミだけでなく食べ物のエキス(有機物)も生地に残りますのでカビや臭いの原因となってしまいますので避けたいものです。
ですので汚れの原因となる飲食物を生地に染み込ませないようにしてあげることが予防の理屈です。
陶器はスカスカであることは前述しましたが、要はこのスカスカの隙間を埋めてあげればいいわけです。

長い年月をかけて入ってゆくシミなどは貫禄にもなり素敵な表情をかもし出してくれます。
「陶器のいいところは変化してゆく事」ともいえます。
しかし急激な変化や、露骨な汚れは正しい陶器への理解を欠いてしまったゆえに起こる結果ともいえます。
この機会に少しでも皆様のお役に立てればと考え記載させていただきました。

ここでは以上の性質を踏まえて器(陶器)をご購入されてからのおろし始めの処理の方法、
また毎日の使い方を理論的にお話させていただきます。



●器の取扱い方法●

@料理や飲み物を器に入れるその少し前、その度毎にお湯または水につける。

前提・・できる限りキレイにシミなく使いたいならば、ひと手間ふた手間かけてくださいということです。

多孔質の器(陶器)。乾いたまま使用しますと食べ物の成分を含んだ水分や油分がこの乾いた隙間に入り込みシミの原因となります。
こうならないために乾いた隙間を無色透明のお水もしくはお湯にて埋めて
器の生地を水分で飽和させてあげるための作業になります。

・温かい飲み物や料理を盛りつける際はなるべく熱いお湯に。また冷たいお料理や飲み物を盛り付ける際はお水を
たらいに張りその中に使用予定の器を5〜10分程度ドボンと漬けてください。たらい等がない場合もしくは
器が大きすぎる場合はお湯または水を器に注いで5〜10分程度そのままにしておいてください。


表面のみふきあげお料理や飲み物を入れてください。

以上。それでけです。

たったこれだけの手間で驚くほどの効果が上がります。
しみが入りやすい器も汚れではなく味わいが増し貫禄につながるそんな変化をしてくれるようになって行きます。
粉引等の白く美しい器に油モノを盛り付ける際は必ずしっかりとお湯に漬けてからお使いのクセをつけてください!
汚れだけでなく臭いの染み込みも結構防いでくれます。

※注意
■おろしはじめの処理はお湯で炊くよりも、お水に一晩つけるがおすすめ!::生地の中まで水分が浸透してくれます。

(全体的に色味が暗く変化します。お水を吸水してシミにくくなっている証拠です。使っていくうちに色のトーンは馴染んできますので気にせず続けてください。)
この状態から、毎回使うたびごとにお湯につける@の処理をしていただくのが簡単で効果的です。
米のとぎ汁で煮炊きをすると言われますが、こちらはコメヌカ油の成分がしっかり浸透してくれるとシミ防止には有効ですが
最近はシミ防止の撥水性止水材などが施してある器もかなり多く見られます。そのような処理をしている場合、とぎ汁やお湯などで炊くと
熱膨張で無理やり水分が生地に入っていく為にムラだらけに給水してしまい、水分が閉じ込められた結果、
斑紋様が出てしまう事例も少なくありません。その場合水分が抜けるまでその模様も消えません。
ですので器をお鍋でたくという作業はかえって器を悪くしてしまう恐れがございますので、当店は推奨しておりません。

■水が漏れるなどの症状がある場合は、濃いめのとぎ汁で炊いて乾かす作業をモレなくなるまで繰り返し、水を止める作業が有効です。
その際は米のとぎ汁で15分程度鍋で炊いて、冷まして取り出ししっかり乾かす。これを止まるまで繰り返す。

A使った陶器はすぐ洗う!!
これは意外にに大切な事。お湯に漬けて使っても刻一刻と乾燥は進みます。
すぐ洗ってきれいにして乾かして収納される事オススメします。
後で洗おうとギトギトの油やお醤油まみれの洗い桶に入れたままの放置は色移りの可能性がありますのでご注意を!

B買って帰って使う前は、必ず台所用洗剤でよく洗ってお使いください。

C割れ物です。丁寧にお使いください。
※100均やギフトショップの規格品のような大量生産の器には「磁器や強化セラミック製」が多く、一見陶器に見えても実は違う物が案外多いです。
そちらの使用にばれてしまうと、当方であつかう器が極端にもろく感じてしまう可能性があります。似て非なるものです。以後踏まえて御利用ください。


D器によっては表面や底面のざらつきにご注意ください。

E花器などに関しても窯元で水漏れテストをしているのですが、今一度確認の上ご使用ください。

また万が一水漏れがある場合は上記「※注意」の項の米のとぎ汁でたく行為を参考にされてください。

F水の入った花器は温度差により水滴が付く(結露)可能性があります。
床や敷物にカビなどが入らないようにマメにお手入れをおすすめします。

G食洗機は使えます!!

※食器洗浄乾燥機の使用は磁器、陶器ともに問題ありませんが入れる際には器と器があたらないような入れ方をしてください。
(水圧が強い場合器が動いて器同士がカタカタと当たる可能性を想定しています)
(ガラス製品は急激な温度変化に弱いものです。食器洗浄乾燥機には入れないほうがいいと考えます)
(汁椀、箸、カトラリーなどの木製品も急激な温度変化や湿気や乾燥に弱いものです。寿命を縮めます。おやめ下さい)

H電子レンジとオーブンのご使用について
私ども家庭では、陶器、磁器製の器の電子レンジやオーブンの使用は日常的に行っております。
長いコトいろんな物を入れておりますが何も問題なく使用出来ております。
理論上、破損の直接的要因にはなりえないのですが、100%保証するものではありません。
あらかじめ目に見えないヒビが入っていたり気が付かないうちにぶつけたりなどの何らかのダメージが既にかかっている場合、
電子レンジや、オーブンのカロリーの負荷により、内部の水分が沸点に達し暴れだし、隙間などを押し広げて、
目に見える形でヒビが出現する、水が漏れだすなどの可能性は否定できません。
自己判断&自己責任でのご使用をお願い申し上げます。
※金銀を使っている器や割れやヒビの入っている器の電子レンジやオーブンの使用はおやめ下さい。
また、木製品、ガラス製品の電子レンジ使用はできません。
熱くなった器をいきなり水につけたりしますと破損する可能性がありますご注意を!
※直火の使用は耐熱使用以外はできません。割れますのでおやめ下さい。




以上です。
陶器だけに限らず形あるモノはいつか壊れます。
しかしお洋服などは生地によっての扱い方が違うものなど常識としてとらえていらっしゃる方も少なくないと思います。
絹衣料を洗濯機でガンガン回すようなことをされる方はまずいらっしゃらないのではないでしょうか?
今回お話させてもらった事は「器」の世界では常識と呼ばれる事です。
こういう性質でこんな風に扱えばいいのだ!と理解していただければ嬉しく思います。
皆様が少しでも楽しく器とお付き合いが出来るようにお力に慣れれば幸いです。
どうぞよろしくお願い致します。


 

 器と料理 


器と料理って切っても切り離せない関係ですよね!使って映える器って気付いたら毎日、毎日食卓に出てきてたりしてませんか?
我が家の食卓にも定番の器が存在します。そんな器はやっぱりとっても良く使います。
何にでも似合う。もちろん嬉しいコトですが、この料理には”ピカイチ”!そんな「粋な」器も最高にかっこいい!
着るものそうですが、浴衣やとってもドレッシーな靴などハマル時のすごさって言ったらないですよね!
それもこれも、しっかり作った良い器だからなせる業!「家庭」での器使いをご覧あれ!




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